車海老の養殖とは

日本国内におけるエビの現状

エビは多くの消費者から愛されている食品である。
マルハニチロホールディングスが平成29年に行った「海の日に関する調査」において、消費者に好きな海の幸を聞いたところ、エビは1位(47.1%)でした。
現在、エビの国内養殖は西日本を中心に行われており、国内養殖におけるエビの年間生産量は2千トンになります。
しかし、右図は帝国書院の平成28年の統計資料『エビの漁獲量トップ10と日本の輸入先』の一部になりますが、我が国のエビの漁獲量は極端に低く、需要の9割を海外からの輸入に頼っています。
国内のエビ養殖の問題として出荷前の稚エビの斃死の問題が挙げられ、独立行政法人国際農林水産業研究センターの『生理学的研究を基盤としたエビ類の種苗生産・養殖技術の開発(平成17年)』によると、既存の循環式システムによる養殖は稚エビの生存率は3割弱である。
すなわち、既存のシステムは大半の稚エビが斃死する、生産効率が非常に低いものでした。

エビの国内漁獲量と輸入の割合

エビの国内漁獲量と輸入の割合(帝国書院
「統計資料統計地図」平成28年より)

消費者の嗜好について

国内の消費者は食料品を購入する際に安心・健康的な食品を志向する傾向があります。
特に、国産の食料品への志向は強く、日本政策金融公庫が平成29年1月に行った『消費者動向調査:食の志向』では食料品の購入時に国産か否かを「気にかける」と回答した人の割合は80.4%となっています。
また、64.1%の人が「割高でも国産品を選ぶ」と回答しています。

食料品を購入するとき国産品かどうか気にかけるか

食料品を購入するとき国産品かどうか気にかけるか
(日本政策金融公庫「消費者動向調査:食の志向」、平成29年1月)

大地の車海老とは

海老はわが国でも多くの方に好まれている食材であるが、現在はその多くを海外からの輸入に頼っており、国内自給率は1割に満たない。
また、食の安全に気をつけている消費者は多く、大半の消費者が国産かどうかを選ぶ基準にしています。
そこで弊社では、天然素材の「フルボ酸」と水処理施設の管理技術を融合させた閉鎖循環式陸上養殖システムを開発し安全安心な車海老の養殖を実現しました。
試験的に養殖を行ったところ、通常3割程度の生存率を7割程度まで引き上げることができました。また、通常であれば海水を引くことができる沿岸部又は海中でなければエビ養殖はできないが、その実験養殖システムでは、海水のない陸上地でも問題なく設置をすることができ、高い生存率で養殖を実現することができました。
このシステムで育成した車海老を「大地の車海老」と名付け、フルボ酸と独自の水質管理で海老が健やかに育つため、アミノ酸が豊富でとても美味しい消費者が安心できる安全な国産車海老を安定に提供することができるようになりました。

フルボ酸とは

フルボ酸とは、動植物や魚介類の死骸や藻類などが堆積され、それが数千年もの長い年月をかけて微生物によって分解、発酵を繰り返してできた最終生成物から抽出された物質であり、土壌や天然水中に広く分布しています。フルボ酸は分子内にカルボキシル基、フェノール性水酸基を多く含んだ多価有機酸であり、化学構造がただ一つ決まった分子ではありません。
このフルボ酸を用いて当社では、これまで食品工場、養豚場等の高濃度汚水の水処理改善施設の管理を行ってきました。

台湾における実験結果

大地の車海老循環型陸上養殖システムについては、当社が開発し、平成28年より台湾にて実験を行ってきた技術を活用するものであります。
当社の持つ腐植資材(フルボ酸)を利用した高濃度汚水の改善、管理技術、またそこから排出される廃棄物を堆肥化し農地に還元する技術を活かした、独自の循環型陸上養殖システムは稚エビの生存率を7割以上にすることを既に確認できています。

台湾の実験プラント

台湾の実験プラント

台湾の実験プラントで収獲されたエビ

台湾の実験プラントで収獲されたエビ

台湾の実験プラントで収獲されたエビ

台湾の実験プラントで収獲されたエビ